シオイ(@shioi401shioi)です。
7月下旬からの急速な円高と米国の景気後退懸念もあって全世界的に相場下落の急ブレーキがかかりました。特に日本の株式市場は久方ぶりのボラティリティの激しいさもあってかNISAの撤退といったことを目にすることも増えました。
そもそもでずっと上がり続けるものでもなく、急に下がって含み損が出たから即退場するといった投資を始める前提の腹落ちが出来ていないここ最近から始めた投資家さん達にとっては試練というほどではありませんがいい経験じゃなかったかと思います。
7月、8月は基準価額、純資産総額ともいい報告は期待できそうにありませんが、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)(以下、オルカン)の2024年7月の月次レポートが公表されましたので確認してみたいと思います。
基準価額および純資産総額の推移について
まずは基準価額と純資産総額です。
7月の基準価額は6月から1,415円マイナスとなり、純資産総額は38,374.63億円です。
2024年8月9日時点の純資産総額は36,783.62億円とあっという間にストンと急降下しました。下がるときは本当にあっという間ですね。
基準価額は25,027円(-1,415円)です。
※2024年8月9日時点で23,627円です。
ベンチマークとの乖離について
そして7月の騰落率ですが設定来のベンチマークから+1.1ポイント上振れしています。普通、ベンチマークに追随してもそこからコスト分はベンチマークからマイナス乖離するものですが乖離が上振れしている点は運用のうまさと全社一丸となったコスト削減活動によるところが大きいのだと思います。
また各マザーファンドの騰落率は以下の通りです。
安定感のある運用で心配なしです。
資産構成について
資産構成は以下の通りです。前月と大きな変化はありません。
組入地域ではアメリカが6割超を占めています。
組入上位10業種と10銘柄は以下の通りです。
若干ですが比率に動きはありますが全体的に誤差の範囲内です。
銘柄も変動は若干ありますが、アメリカ企業が上位を独占しています。
基準価額の変動要因(概算)について
基準価額の変動要因(概算)は以下の通りです。
前々から為替要因の影響の大きさを気にしておくべきポイントにしてきましたが7月はほぼ円高による影響で基準価額が値下がっていることが分かります。
ニュースでは円安、円高どちらに振れてもあれが大変、これが心配だと煽ってばかりでどのあたりの水準が適正なところなのかをどこも示してくれません。むしろ伝えるならそういった目安を仮でもいいので出して伝えてもらいたいものです。
8月は引き続き為替要因と各株式の下げ幅か更に大きくなりますね。
分配金について
2024年4月26日に第6期決算を迎えていますが、予定通り分配金は0円です。
NISAでの保有状況について
8月9日現在のNISAでの損益状況は以下の通りです。
NISA
成長投資枠:13.12% つみたて投資枠:4.43%
旧つみたてNISA:84.51%
つみたて投資枠は右肩上がりの中での積立なので今回の下落の影響を大きく受けていますが、年初一括投資を行った成長投資枠の方も影響を受けているものの1月年初に戻るほどの下落ではないことを示しています。
オルカンの足元の基準価額下落について
2024年7月30日に「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー) 足元の当ファンドの基準価額下落について」というプレスリリースが三菱UFJアセットマネジメントより公表されました。
記載の主な内容は以下の通りです。
- 7月は米国の景気後退懸念や大統領選挙の不透明感といったことによるリスク回避、円高を背景に基準価額が高値からの約8%程度の下落となったこと
- 全世界株式指数のパフォーマンスは過去から下落局面を繰り返しながら長期的には上昇してきたこと
- 株式市場に居続けることの投資パフォーマンスへの影響(投資し続けた方が中長期的には良いパフォーマンスを教授できた)
ここ1ヶ月の下落推移をみると悲観すべきような右肩下がりでありますが、設定来やここ数年の推移を見ればそこまで悲観するべき下げ方ではないと思います。(これまで増えていた含み益が消し飛んでいるので無傷ではありませんが)
このプレスリリースで注目すべきはやはり「全世界株式指数のパフォーマンスは下落局面を繰り返しながら長期的には上昇してきた」という点にあります。あくまで今後も全世界は成長していくという世界にBetするのであればこの点を改めて認識して腹落ちさせておくことが非常に重要ではないかと思います。
まとめ
これまでなんとなく右肩上がりに株価が上昇していくというぬるま湯相場だったところが、一変して急に悲観的な相場に切り替わってしまいました。
インデックス投資なので悲観相場の中でもアウトパフォームを求める訳でなく全世界株式指数に追随することが目的なので下落の影響を回避することはできません。
とは言っても投資している資金が10年、20年と長期間使う予定のないもので投資をしている積立投資家にとっては気にするところではなく、ようやく口数を多く買えるターンがやってきたと思うところだと個人的には思っています。
どんな状況であってもオルカンで低コストにこの1本で全世界へ投資できることは、各人にとってのコア投資の基盤を作るうえでベターな選択肢(ほぼファイナルアンサー)だと思っています。
信託報酬も最低水準となり、各資産クラスを自作して全世界株式を実現するよりも本ファンド1本の方が低コストというファンドです。
アセットアロケーションを全世界株式の時価総額加重平均のウエイトで納得できて、さらに全世界株式クラス最安値に信託報酬を追従してくるのであれば本ファンド一択で問題ないと思います。
シオイは、オルカンをSBI証券で三井住友カードによる積立投資をしています。
全世界株式へこれ1本でシンプルに投資ができ、これからつみたてNISAを始める方に文句なしにおススメできる商品です。
特に投資にそれほど興味関心はないけれど資産運用はそこそこにしたいという方にとって現金:eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)=5:5で保有するカウチポテトポートフォリオはアリだと思っています。
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)に関してはこちらの記事もご覧ください。
資産運用の基本を知りたい、書籍で学びたい方はこちらの記事もご覧ください。
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