『インデックス投資は勝者のゲーム』を読みました。│株式市場から利益を得る勝者のゲームをしよう!!

インデックス投資は勝者のゲーム 書評
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シオイ(@shioi401shioi)です。

バンガードグループ創業者であるジョン・C・ボーグルによる著書を読みました。

本書の要点はとてもシンプルです。

株式投資で成功する戦略とは、

⇒市場全体のポートフォリオを有する低コストなファンドを取得し、永遠に持ち続けること

つまりインデックスファンドに特化したポートフォリオこそが株式市場のリターンから公平な分け前を効率的かつ確実に獲得する唯一の投資戦略であるということです。

米国での投資が前提として書かれていますが、投資への考え方は日本においてもそのまま当てはまるものです。

投資初心者が最初から読むのは心折れてしまうかもしれませんが、ある程度インデックス投資の知識が身についていれば一度は読んでみて損はないインデックス投資のバイブルだと思います。

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投資コストの複利は暴君である

複利リターンというマジック

引用 P.77 第4章 どうしてほとんどの投資家は勝者のゲームを敗者のゲームにしてしまうのか

上記図表は企業がもたらした大きなリターンを複利で運用することが持つ力は計り知れないことを表した分かりやすい事例です。

ですが複利のリターン以上に複利の投資コストがリターンをむしばんでいきます。

以下図表の通り50年間で市場ポートフォリオを保有していれば手に入った累積リターンの61%がコストに食われてしまいます。

複利という暴君

引用 P.78 第4章 どうしてほとんどの投資家は勝者のゲームを敗者のゲームにしてしまうのか

投資の成功と失敗を分けるのはコストだということが否が応でも理解できると思います。

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「第9章:良き時代はもはや続かない」は心くじかれるかもしれない

本書ではこれから投資を始める人や始めたばかりに人にとってはあまりいい知らせでないことも書かれています。

バンガードのブロガー交流会でも言われた向こう10年間はリターンも低調となるかもしれないとされる根拠がこれでもかというくらい述べられています。

そのバンガードのブロガー交流会での内容は以下記事をご覧ください。

ボーグルは株式のリターンの源泉である以下2つの要素が向こう10年間を考えた時に過去と同じリターンが期待できないと考えています。

投資リターン:当初の配当利回り、利益成長
投機的リターン:PERの変化

その各リターンを以下のように推測しています。
投資リターン…平均6%
投機的リターン…-2%

株式のトータルリターン

引用 P.134 第9章 良き時代はもはや続かない

二つを合わせてアメリカの株式市場の年間収益率は4%になるだろうと考えています。

また債券についても同様に向こう10年の年間リターンは3.1%と予想しています。

債券のトータルリターン

引用 P.141 第9章 良き時代はもはや続かない

株式と債券を6:4の割合で組み入れたポートフォリオのトータルリターンは名目年間リターンで3.6%、インフレ調整後は1.6%と非常にこれから投資を始める人にとってはちっとも嬉しくない暗雲が立ち込めている未来予想図となってしまうのです。

株式6割・債券4割のトータルリターン

引用 P.142 第9章 良き時代はもはや続かない

こんな状況に本当になってしまうならば、コストの高いファンドはまったくリターンを得られないことになります。

コストの低いインデックスファンド(年間コスト:0.1%)であれば インフレ調整後の1.6%というリターンでも実質年間リターンは1.5%を確保できます。

低いリターンの中でもプラスを確保することができるのがインデックスファンドであり、コストの高いアクティブファンドでは実質リターンがコストによって食われてしまいゼロ若しくはマイナスになってしまう恐れがあります。

まさに本書で記載されている言葉を借りれば

『投資にかかるコストを差し引いた後では、市場に勝とうとすることは敗者のゲームなのである。』

まさしくその通りです。

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まとめ

  • 株式投資で成功する戦略:市場全体のポートフォリオを有する低コストなファンドを取得し、永遠に持ち続けること
  • インデックスファンドに特化したポートフォリオこそが株式市場のリターンから公平な分け前を効率的かつ確実に獲得する唯一の投資戦略
  • 企業がもたらした大きなリターンを複利で運用することが持つ力は計り知れないが、それ以上に複利の投資コストがリターンをむしばむ

本書では、第9章に書かれているように初心者の希望を打ち砕くかのような先行きの悪い見通しも書かれています。

将来のことは誰にも分かりませんから当たるかもしれないし、外れるかもしれません。

ですがボーグルが想定する明るくない将来が現実のものとなったとしても低コストなインデックス投資を継続すれば低い実質リターンだったとしてもプラスを確保できる可能性が非常に高いということです。

株式市場の先行きを悲観しても仕方がありません。

本書に書かれているように 市場全体のポートフォリオを有する低コストなファンド=インデックスファンドを保有して来るべき最悪の事態でもプラスのリターンが得られるよう準備しておくべきだと思います。

インデックス投資については「ウォール街のランダムウォーカー(バートン・マルキール著)」「敗者のゲーム(チャールズ・エリス)」の名著がありますが、本書もそれに肩を並べる名著だと思います。

インデックス投資についてもう少し深く知りたい方は、秋の夜長の読書に『インデックス投資は勝者のゲーム』を読んでみてはいかがですか?

「ウォール街のランダムウォーカー」や「敗者のゲーム」を読み切れるか心配な方は、バートン・マルキール氏とチャールズ・エリス氏の共著のこの本をお勧めします。

名著のエッセンスがふんだんに盛り込まれていてしかも2,3時間でサラッと読めます!!

 

「ウォール街のランダムウォーカー」や「敗者のゲーム」もインデックス投資を理解するうえで名著です。『インデックス投資は勝者のゲーム』を読んだ後で更に読んでみてはいかがですか?

 

初めて資産運用・インデックス投資をやろうと思っている人向けの基本知識、インデックス投資の始め方をまとめています。

 

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