2018年10月7日楽天投信投資顧問からリリースされた【運用報告書「1万口当たりの費用明細」の内容について】を追加しました。
シオイ(@shioi401shioi)です。
ついに楽天・全世界株式インデックス・ファンド(以下、楽天VT)の運用報告書が2018年9月14日に公表されました。
結論から言うと実質コストは高かったという残念な結果となってしまいましたが、実質コスト含め運用報告書を見ていきたいと思います。
実質コストは約0.504%と高かった
まずは気になる実質コストから見ていきます。
今回は2017年9月29日~2018年7月17日の292日間と1年間の決算ではありません。
なので上記コスト0.304%にETFの経費0.10%を加えた0.404%は1年間の実質コストではないことに注意が必要です。
1年間(365日)としてコストを計算し直して、実質コストを算出してみたいと思います。
1年間の信託報酬 0.1296%
今回決算の信託報酬 0.098%
0.1296% ÷ 0.098% ≒ 1.32244898
青線で囲った隠れコストについても1.32244898倍 の補正を行い、1年間のコストを計算します。
今回決算の隠れコスト 0.206%
補正後の隠れコスト 0.27242449%
補正後の実質コスト
0.1296% + 0.2724299 + 0.10% =0.504%
正直に言って実質コストが高すぎです。
ファンドオブETFという形態で単純にVTを購入しているだけなのでそれ程コストはかからないと思っていましたが予想は外れました。
意外に売買委託手数料がかかっています。
単純比較できませんが、eMaxis slim 先進国株式インデックスの運用報告書で売買委託手数料は0.016%なのに楽天VTの0.167%はどうみてもかかりすぎているとしか思えません。
資産規模が大きくなれば違うのかもしれませんが、楽天投信投資顧問さんにはなぜここまで売買委託手数料がかかってしまったのか説明をしてもらいたいところです。
楽天投信投資顧問より2018年10月5日に【運用報告書「1万口当たりの費用明細」の内容について】で売買委託手数料の高さについて説明がリリースされています。
ETF買付けに伴う売買委託手数料は投資信託協会規則に則って計算されており、結果として大きな数字で表示されているとのこと。
引用 楽天投信投資顧問 運用報告書「1万口当たりの費用明細」の内容について
今後、純資産が順調に増加し続けていけば、今回大きくでている売買委託手数料も落ち着いてくるものと思われます。
レポートでは途中経過等について可能な限り投資家の案内していくと記載されており、この点についてはぜひ楽天投信投資顧問さんには丁寧な説明をしていただきたいと思います。
プレスリリースはこちらをご覧ください。
運用報告書「1万口当たりの費用明細」の内容について
2018年10月7日追記
分配金について
分配金は出ません。
留保益は、元本と同様の運用を行なっていきます。
基準価額と資産規模について
純資産は順調に増えており、約105億となっています。
基準価額は、10,576円となりました。
ベンチマークとの乖離では、ベンチマークが7.3%に対して楽天VTは5.8%と1.6%のマイナスです。
ベンチマークとの差異の主な要因は、以下の通りです。
・マザーファンドにおける継続的な資金流出入に伴う投資先ETFの売買執行コストの積み重なり
・投資先ETFからの分配金の課税
・当ファンドにおける信託報酬等
実質コストで触れた売買委託手数料の高さは気になる点であり、なぜここまでかかってしまったのかについて「売買執行コストの積み重なり」とサラッと記述するのではなく丁寧な説明が必要だと思います。
また分配金については3重課税の懸念が前々から言われていましたが、こちらの影響についても気になります。
米国籍ETFを経由して米国外の株式に投資した場合に発生します。
- 米国籍ETFのファンド内部で米国外に税金が支払われる
- 米国籍ETFは米国株扱いなので米国へ税金が支払われる
- 日本へ最後に税金が支払われる
米国以外の外国→米国→日本の3ヶ国で課税されてしまうことが問題で、米国籍ETFでなければ上記2の税金は支払う必要はありません。
当面の間、実質コスト・ベンチマークとの乖離状況について様子見とします
残念ながら新規設定ファンドは最初の決算が出るまでは様子見というセオリーがピッタリの結果となってしまいました。
実質コストが高いとは言ったもののなんとかギリギリ及第点といったところでしょうか?
ただしバンガードの言う自分のコントロール出来る事をコントロールしていくに従うならば、eMaxis slim で全世界株式を自作して投資にかかるコスト削減をした方が良さそうです。
ちなみにeMaxis slimシリーズで全世界株式投資を自作した場合の想定コストは以下の通りです。
楽天VTの実質コストの半分に抑えられます。
ただし保有商品が3本と増えてしまいますが、それ以上にコスト差のインパクトが大きいです。
今回コストがかかっている売買執行手数料は毎年同じではありません。
今後更に資産規模が大きくなっていく事で、コストが下がっていく可能性もあります。
バンガードのETFへ投資信託で簡単にアクセスできること、これ一本で全世界株式へ分散投資が出来る点は本商品の魅力でもあります。
ですが低コストがウリのバンガード商品へ投資しているのに実はコストが高くついてしまったというのであれば本末転倒です。
現状積立てている分についてはそのまま保有して、eMaxis slimシリーズへの乗り換えを考えたいと思います。
この調子だと先日設定された楽天インデックス・バランス・ファンドも実質コストは為替ヘッジコストも含めて高いのではと推測されます。
引き続き第2期運用報告書での動向もチェックしていきます。
楽天・バンガード・ファンドに関してはこちらもご覧ください。
これから投資を始めてみようかなと思った方は、ぜひ以下記事もご覧ください。
基本的な資産形成の知識を身につけることが出来ます。
コメント