シオイ(@shioi401shioi)です。
楽天・全世界株式インデックス・ファンド(以下、楽天VT)の第2期運用報告書が2019年9月13日に楽天バンガードHEASDより公表されました。
結論から言うと4半期ごとのコストの進捗状況の見通しの通り、第1期のように高すぎるといったことはなく一安心といったところです。
実質コストは0.307%とようやく安定しました
まずは気になる実質コストから見ていきます。
上記コスト0.217%にETFの経費0.09%を加えた0.307%が楽天VTの実質コストとなります。
隠れコストについても報告書上の数字だけを見ればほぼ問題ない運用状況だったと思われます。
楽天VT:0.079%
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー): 0.10011%
※上記隠れコストは第1期運用報告書より補正して算出した数値です。
報告書上に出てこないコストは実際にどれだけあるのかは分かりませんが、今後は実質コストが高いというようなことはなさそうです。
分配金について
分配金は出ません。
留保益は、元本と同様の運用を行なっていきます。
基準価額と資産規模について
純資産は順調に増えており、238.2億となっています。
基準価額は、10,574円となりました。
ベンチマークとの乖離では、ベンチマークが0.6%に対して楽天VTは0.0%と0.6%のマイナスです。
ベンチマークとの差異の主な要因は、以下の通りです。
・マザーファンドにおける継続的な資金流出入に伴う投資先ETFの売買執行コストの積み重なり
・投資先ETFからの分配金の課税
・当ファンドにおける信託報酬等
毎月の月次レポートではベンチマークとの乖離が2%前後発生しているはずなのですが、運用報告書時点で切り出すとマイナス0.6%の乖離となっています。
これは素直に喜んでいいのかそうでないのか判断に困ります。
運用報告書時点で乖離が縮まるのであれば、毎月の月次レポートでも同様に縮まってもよさそうな気がするのですが…数字のマジックでないことを願うばかりです。
また分配金については3重課税の懸念が前々から言われていましたが、こちらの影響についても気になります。
米国籍ETFを経由して米国外の株式に投資した場合に発生します。
- 米国籍ETFのファンド内部で米国外に税金が支払われる
- 米国籍ETFは米国株扱いなので米国へ税金が支払われる
- 日本へ最後に税金が支払われる
米国以外の外国→米国→日本の3ヶ国で課税されてしまうことが問題で、米国籍ETFでなければ上記2の税金は支払う必要はありません。
当面の間、実質コスト・ベンチマークとの乖離状況について様子見とします
第2期運用報告書の結果としては、ようやく運用も安定してきてファンド購入に踏み切っても問題無い内容となりました。
ですがその間に全世界株式クラスの信託報酬競争は激化しています。
全世界株式クラス信託報酬最安値のたわらノーロード全世界株式の登場とそれに追従するeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)、その後突如として同クラス最安値となったSBI・全世界株式インデックス・ファンドの信託報酬引き下げ(年0.1090%(税込))が記憶に新しいです。
そんな環境下において実質コストも安定してきたことは喜ばしいことですが、コストに拘ると楽天VTの信託報酬0.2196%(税込)は物足りなく感じます。
また運用報告書ではベンチマークとの乖離が縮小していましたが、月次レポートでは変わらず2%程度乖離が発生している状況も気になるところです。
純資産総額では楽天VT:266億円とeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー):69.63億円、SBI・全世界株式インデックス・ファンド:34.5億円のライバル2ファンドに対してかなりリードしてはいるもののこのリードを保ち続けられるのかは分かりません。
(上記純資産総額は2019年9月13日時点のものになります)
楽天VTはバンガードのETFへ投資信託で簡単にアクセスできること、これ一本で全世界株式へ分散投資が出来る点が魅力です。
今後も全世界株式クラスのトップの地位を維持するためにもコストにメスを入れる、ベンチマークとの乖離を安定させることが重要なポイントになっていくと思います。
今回の運用報告書を見て、つみたてNISAで購入している商品は引き続き楽天VTを積み立てていこうと思います。
引き続き第3期運用報告書での動向もチェックしていきます。
楽天・バンガード・ファンドに関してはこちらもご覧ください。
これから投資を始めてみようかなと思った方は、ぜひ以下記事もご覧ください。
基本的な資産形成の知識を身につけることが出来ます。
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