シオイ(@shioi401shioi)です。
つみたてNISA、iDeCoといった長期資産形成の優遇制度が出揃って長期投資を行う環境がほぼ整っています。
ちょうど2019年7月27日の日経新聞の記事に「投信、長期にシフト 人生100年時代を下支え」という記事が出ていました。
記事の内容は金融機関の販売姿勢が変わりつつあり、これまでの手数料稼ぎによる回転売買がシフトしているとのことです。
記事に記載の「投信の長期シフト」はまだ本来の意味での長期シフトではないと感じたので、少し考えてみました。
投資信託が長期シフトしてるって本当?
気になった記事は2019年7月27日の日経新聞記事「投信、長期にシフト 人生100年時代を下支え」です。
記事の要旨は以下の通りです。
- 2018年度、運用期間10年以上の投信が、16年ぶりに資金流入に転じた。流入額は過去最大となった
- 投信業界では販売手数料を優先し、乗り換え売買が横行してきた潮流が変わった
- 18年度の投信の新規設定数は183本と12年度以来の少なさでピークの13年度(377本)の約10分の1となった
- 投信の運用期間は平均8.14年と5年前から2割弱伸びた
金融機関の投資信託の販売については毎月分配型投信や複雑な3階建て、4階建て等の複雑な投資信託の販売についても過去より批判されてきているところです。
金融機関が過去より問題のあった手数料稼ぎのために新しい投信への頻繁な乗り換え姿勢を改め運用期間が長期で安定した投信への販売に力を入れるようになってきたとのことです。
ようやくまともな販売姿勢に転換しつつある点については非常に喜ばしいことだと思います。
また投信の運用期間が長期化していることもそれだけ商品が支持され資金流入していることですからこちらも悪いことではありません。
ただしこの記事では長期運用している投信へのシフトが続けば「人生100年時代」下支えする効果がありそうだとしていますが、個人的には懐疑的です。
長期運用している投信はまだ高コスト投信が多い
記事で長期で安定して運用成績を出してきた投信として 「MHAM新興成長株オープン」を挙げています。
確かにここ最近は安定した運用成績を出してきているのですが、アクティブファンドという点を割り引いてもコストが高すぎます。
運用期間10年以上の投信となるとここ最近に設定されたeMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)等の低コストなインデックスファンドは含まれてはいません。
今(2019年)から10年前に設定された投信は総じてまだまだコスト的には高めな商品ばかりです。
そのような商品へのシフトが果たして 「人生100年時代」下支えするのかは疑問です。
投信の長期シフトは保有期間で考えるべき
投信の長期シフトという点で見るのであれば投信の保有期間で見るべきだと思っています。
2019年2月の日経新聞の記事になりますが2018年の平均保有期間は3.4年です。
3.4年で長期化と言われてしまうのは非常に残念です。まだまだ長期投資にシフトしているとはいいがたい現状ですね。
ただつみたてNISA、iDeCoといった長期資産形成を後押しする優遇制度がありますのでこれから10年後には投信の平均保有期間もさらに伸びて 長期で安定して運用成績を出してきた投信に低コストなインデックス投信が取り上げられる時代がくるのではないかと思っています。
個人投資家として長期保有をさらに促進できるようNISA制度の恒久化要望は引き続き声をあげていきたいですね。
初めて資産運用・インデックス投資をやろうと思っている人向けの基本知識、インデックス投資の始め方をまとめています。
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