シオイ(@shioi401shioi)です。
つみたてNISAの勢いに乗って昨年は相次いで低コストな投資信託が新規設定されました。
低コスト競争も一息ついたかと思ったら、ニッセイアセットマネジメントさんが既存商品のコスト見直しを発表しました。
<購入・換金手数料なし>シリーズ6ファンドの信託報酬率引下げ(投資信託約款変更)について
インデックス投資家界隈では、投資信託のコスト引き下げ等に敏感ですがなぜコストにこだわるのでしょうか?
そこには重要な一つの理由があります。
今回は投資信託のコストにこだわるべき一つの理由について説明したいと思います。
投資信託のコストは、大きく分けて3つあります。
投資信託を購入する場合、一般的には以下の3つのコストがかかります。
・購入手数料
その名の通り投資信託を購入する際にかかる手数料です。インデックス投資であればノーロード(手数料無)の商品が多いです。
・信託報酬
購入した投資信託を保有している間、販売会社・運用会社・信託銀行へ支払う費用です。
・信託財産留保額
投資信託を解約した場合にかかる手数料です。
上記以外に株式等の売買手数料や保有している間にかかる監査費用等もコストとしてあり、信託報酬にこれらのコストを加算した実質コストを見ていく必要もあります。
実質コストについては以下記事で紹介しています。
今回は、信託報酬にクローズアップして投資信託保有中に信託報酬のコストがどのような影響を与えるのかを見ていきます。
コストは投資信託を保有した瞬間から売却するまで決まってしまう。
投資信託を購入すると購入した時点から信託報酬というコストを支払い続けることが決定します。
ところが値上がり等の期待しているリターンについては、不確定で最終的に売却した時点で儲かったのか損したのかが決まります。
不動産賃貸の場合でイメージてみると以下のようになります。
あなたは、全世界株式インデックス荘(=投資信託)というアパートを所有している大家さんです。
信託報酬
⇒定期的にかかる所有物件への修繕費用や管理会社に委託している場合には委託費用(物件を保有している間は確実にかかる費用です)
期待リターン
⇒所有物件の入居者から支払われる賃料(投資程不確定ではありませんが、入居者が退去して賃料収入が減る可能性もあり不確実な収入です)
賃料は投資信託ほどではありませんが、空き室による賃料減少のリスクがあり想定した収入が得られない可能性があります。
これに対して所有している物件の修繕費用や管理会社への委託費用は賃料とは関係なく所有し続けている間、負担しなければいけない費用になります。
ということは、想定した賃料(=期待リターン)が予想以上に低下しても赤字にならないように費用(=信託報酬)は予め安い物件を選ぶ必要があるのです。
またコストは期待リターンの足を引っ張る存在です。
これが投資信託のコストにこだわるべきだった一つの理由です。
投資信託のコストの違いが長期保有している間に期待リターンに及ぼす影響は以下図の通りです。
グラフの通りコストが期待リターンに影響を及ぼしていることが一目瞭然ですね。
だからこそ信託報酬だけでなく実質コストまで見て低コストかどうかにこだわる必要があります。
以下グラフのように信託報酬はそこそこ安くても実質コストで見ると非常に高コストだったという場合もあるので要注意です。
今保有している投資信託よりも低コストな商品にすぐに乗り換えた方がいいのか?
投資信託のコストは期待リターンに大きく影響を及ぼすため安いに越したことはありません。
今保有している商品を有無を言わずに乗り換えた方がいいのでしょうか?
ちょっと待ってください。
すぐに保有している投資信託を売却して低コストな投資信託に乗り換えるのは場合により不利になることもあります。
持っている商品の損益状況に応じて対応を変える必要があります。
大きく含み益が出ている場合
⇒売却せず保有して、新規に低コストな投資信託で積立投資を開始。
低コストな投資信託の信託報酬との差よりも譲渡益に対する課税20%の影響が大きい判断します。
損益がトントンに近い場合
⇒売却して、低コストな投資信託に乗り換える。
株式市場が下落して含み益もトントン近くになった状況は、低コストな投資信託に乗り換える絶好のチャンスです!
アウターガイさん(バリュートラスト|価値を生む・未来を託す・投資を歩く)が提供している「乗り換えコストチェッカー」を使って乗り換えたパターンと乗り換えないパターンでどちらがお得なのかをシミュレーションしてみるのもおススメです。
投資信託のコストに関するまとめ
投資信託のコストはこだわるべきです。
その理由はただ一つ。
・コストが期待リターンの足を引っ張って、運用成績を悪化させてしまう。
なのでこれから投資信託を購入しようとするのであれば低コストな商品を選ぶようにしましょう。
投資信託を保有している場合は、利益が出ているかどうかで商品の乗り換えを考えましょう。
含み益が出ている場合
⇒既存の投資信託はそのまま保有して、新規に低コストな投資信託で積立投資を開始する。
利益はトントンに近い場合
⇒新規の低コストな投資信託に乗り換える。
これからインデックス投資で長期投資を始める方は、ぜひ投資信託のコストにこだわってください。
そして高コストな投資信託をお持ちの方はぜひ乗り換えを考えてみてはいがでしょうか?
初めて資産運用・インデックス投資をやろうと思っている人向けの基本知識、インデックス投資の始め方をまとめています。
こちらもぜひご覧ください。
業界最低水準の運用コストを将来にわたって目指し続けるeMAXIS slimはおススメのガチホ(ガチホールド)商品の一つです。
コメント